エコン族の備忘録

Politically Unmotivated

「心を整える」長谷部誠著を読む

「心を整える」は、長谷部誠選手が20代のときに書いた本である。そのときもかなり話題になった記憶があるが、あれから10年、改めて読んでみた。

 

この本の肝は、タイトルにあるように思う。長谷部選手は、自分のメンタルを強いとか、弱いとか全く触れていない。つまり、メンタルは鍛えるものではなく、テニスラケットのガットやギターの絃のように、「整える」ものととらえていることだ。心を整え続けた長谷部選手のサッカー選手としての評価は、言わずと知れたところである。

 

多くの人が仕事や家庭のストレスでメンタルをやられている。ちまたには、いかにしてメンタルを強くするかというノウハウが広まっている。でも、そもそもメンタルが筋肉のように鍛えられないとしたら、私たちはそれを調整し、時に何とかやりすごし、なんとか「整える」ことしかできないはずだ。

 

長谷部選手のような強いメンタルをっ持っている人が、「僕がしていることは整えるいることだけです」と言い切りところがこの本の最大の魅了である。スポーツをしている若い人はもちろん、多くの人に手にとってもらいたい。20代の長谷部選手の言葉、10年経ってさらにその意味が増していると思う。